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少女はお金持ちの娘だった。
毎日毎日贅沢三昧な日々を送り、
何不自由ない人生を送っていた。
しかし、何かが物足りない。
ある時少女は、ふとそう考える様になった。
少女は世間をあまり知らない。
それは大きなお屋敷で、
言ってしまえばその敷地の中でしか人生を送ってはいないからだ。
少女は自室の窓から見える向こう側の世界にいつかは行きたいと思った。
しかしそう簡単に出来るはずがないと少女は悟っていた。
生まれてこのかた敷地外に出たことがないのだから、
それは簡単に出来るはずはないのが普通だろう。
何より、彼女は今のいままであまりに外を知らなさすぎた。
だから、いざ出ようと思ったところで
後一押しが足りなかったのだ。
そうして彼女は籠のなかの一日を静かに終えたのである。
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