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「数学どうだった?」
「全然わかんなかった」
そんな話をしながら窓際の紗和の席から幸くんを見る。
見るたびに表情を変えていく。
幸くんは顔に感情がでやすい。
笑顔を見ると癒される。
目を細めて、きれいに明るく笑う。
これからも見るだけだと思っていた。
あの時までは。
「恵美~ メール」
ボーっとしていた私に紗和が言ってくる。
チカチカケータイが光る。
たぶんお母さんからだ。
from お母さん
subject Re:
本文
今日遅くなるから外でご飯食べてきて!
END
「誰から?」
「お母さんから。ご飯たべてきてだって。」
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