Demonical

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 だから今回も、この事件に触れることを提案するのは内心びくびくしていた。  そして何よりも、言葉が期待するような結果ではなかったということが恐ろしかった。  彼がメフィストに力を与えさせた男に対して見せた姿を目の当たりにして、俺がどんな思いだったことか。  兄貴がキレているところなんて、滅多に見られるものではないのだ。  例え世界を敵に回しても兄貴だけは怒らせてはいけない。  それは、俺の細胞レベルで本能に刻み込まれている絶対のルールだった。      レックスやチコちゃんと別れ、事務所へと帰路につく。  あの事件以降、俺も兄貴もなんだかんだと出掛けていたので、対面するのは事件以来初めてになる。  どんなことを言われるのかと考えるだけで、俺は足が重くなる思いだった。
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