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「誰かこの連鎖を終わらせてくれ」
私は願う...
誰に願う訳では無く、只願う
殺し、殺され、また殺し、殺され、殺し、殺され、殺し、殺し、殺し、殺し、殺し、殺し、殺し、殺す
終わりが見えないこの連鎖を誰か止めてくれ
この悲劇を、この茶番を誰か止めてくれ、終わらせてくれ
私は真実を知ってしまった...
真実を知った今、私が何か出来るかと言えば、答えは否だ
私は死ぬ
意識はハッキリとしているが解る
私は死ぬ
私の存在は消える
私は私の役割を終えた。
だから私はもう要らないのだ。
頭の中で声が聴こえる
何度か経験したあの無邪気で残酷な声が頭の中に響く
(ねぇねぇ、これ飽きたよ)
(どれどれ、見せてごらん? あぁ、また間違えちゃったんだね?)
(だって、弱いんだもん)
(ちゃんとやらないから駄目なんだよ。コイツを消してまたやり直そう)
(また最初から?)
(そうだ。でも今度は僕も協力してあげるよ)
あぁ、また繰り返されるのか
私が消える事でこれが終わるのなら、喜んで消えよう。
だがそれは叶わない
誰かこの連鎖を止めてくれ
また頭の中で声が響く、何度も聴いたあの声ではない。別の声だ。
(君の願いはきっと叶う。僕が種を撒いた。この連鎖を止める種だ。きっと止められる。だから安心して眠りなさい)
男の声だった。清らかで美しい声だった。その声は私の願いを叶えてくれると言う。
有り難かった...
嘘でも構わない。
有り難かった。
これで安心して眠れる
願わくはこの連鎖が本当に終わりますように...
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