1人が本棚に入れています
本棚に追加
***
それぞれが風呂に入って(ロイを起こす時は大変だった)、晩ご飯を食べ終えて、先に自分の寝室に戻ったじいちゃんを抜いて僕たちはテレビゲームをしていた。
「私死んじゃうわ!!助けてよ!」
「バカ!ソブレ、ガイコツ男狙え!!俺、挟まれてんだろ!」
「でもロイ、ティルダが…」
「あ。私死んじゃった」
「何してんだよ!!回復魔法使えんのティルだけだろ!」
前線で戦う魔法は使えない二刀流剣士のキャラクターを使っていたロイ。
後ろで逃げ回って回復魔法専門系のキャラクターを使っていたティルダ。
一応攻撃魔法と剣を使えるキャラクターを使っていた僕。
ロールプレイング。
僕らのチームワークは最悪だった。
アイテムも使い切って、ティルダを生き返させることも出来ない。
頑張っていた僕とロイだけど、少ししたら僕が死んで、ロイ一人じゃどうしようもなくなった。
「ああ!くそ!!」
ロイが悔しそうに自分の太ももを殴った。
テレビ画面には『GAME OVER』の文字。
『リセットしますか?』
と出てきた文字に『YES』と答えたロイはゲームに飽きたティルダと、そろそろ眠たくなってきた僕にコントローラーを持てと促す。
「ロイ、まだやるの?」
「当たり前だろ。勝つまでやる!!」
「…」
「ティル!!お前も!!」
ティルダに無理矢理コントローラーを持たして、ロイはゲーム画面に向かった。
後ろでティルダが苦い顔をしていたのをロイは知らない。
ああ、
今日は朝までゲーム三昧の予感だ。
最初のコメントを投稿しよう!