一学期

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「まぁ、僕も馴染めてないから、人のこと言えないか。」 彼はそういうと いつも通り作業を済ませ教室を出て行く… 「今日…」 彼の口からボソッと何かが聞こえた。 「今日…一緒に帰るか?」 彼は確かにそう言った。 私は凄く嬉しかった。 でも……。 「ごめん、私まだ帰れないんだぁ…。」 私はそんな嘘をつく。 いいや、嘘じゃない。 私は確かに帰れないんだ。 嘘なんかついてない。 「そうか…。分かった、またな。」 彼は少し寂しそうな顔をして、教室を出て行った。
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