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やっと静かになったと思ったのに、どうして一人にしてくれないんだろう? 伊勢が言う「赤い人」って、あの怪談話の「赤い人」? そんなのいるわけないじゃん。 今までずっと、こうして放課後に残っているけど、一度も見た事なんてないのに。 「伊勢君は、そんな噂話を信じてるの?私は大丈夫だから、早くその明日香って人を探して来なよ」 「お、おぅ。そうか……だったら良いけどよ」 そう言い、再び駆け出した伊勢。 騒がしくて忙しいやつ。 「赤い人」を見た者は、決して振り返ってはならない……か。 あれ?もしかして、今、私は心配されたのかな? そうだとしたら、私なんかを気に掛けるなんて、変なやつ。 クラスメイトからは無視されていて、誰も私の心配なんてしないのに。 「『赤い人』かぁ……放課後に一人でいると現れるんだよね」 携帯電話を開いて、時間を確認すると、もう17時を回っていた。 家に帰っても、お父さんは「勉強しろ」の一点張り、お母さんは、妹を可愛がっていて、私には無関心。 学校に、もうしばらく居たかったけど……赤く染まった空を見つめて、私は席を立った。
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