カンナとシグレ

2/3
前へ
/32ページ
次へ
帰り着いたらすでに母と父は起きていた。 気まずい気がしたが気にせず「ただいま」と元気よく言った。二人から「お帰り」そして母は「お風呂丁度いい湯だから入りなさい」私「はぁい」お風呂に直行した。 頭、体といつも通り洗い湯船へ。「ふぅー」気持ちいい。 さてと上がったら父に聞かなくちゃ。 おばあちゃんはどんな風に毎日を過ごしていたのか。 父はシグレに会った事あるかしら。 お風呂から上がり着替えて父の部屋に急いだ。 父の部屋の扉を「トントン」 ノックした。中から「ミズナか。開けて大丈夫だ」ガチャと扉を開けて部屋に入り父のソファーに座った。「ねぇねぇ、お父さん。カンナおばあちゃんって昔っから部屋でずっと過ごしていたの。何して過ごしていたの。」早口で聞いた。 父「いや、おばあちゃんは毎日アマモリの茎と花を取りに行ったな。確か途中から森に住みたいって毎月何回か家に帰るのを約束で暮らし始めたよ。お父さんもおばあちゃんと一緒に暮らしたくて一ヶ月くらい森で暮らしたよ。おばあちゃんの足が悪くなってきてから、家に連れもどしたけど。」おばあちゃんと父は森で暮らしてたんだ。 じゃ父はシグレを知ってるのかも「あともう一つシグレって聞いた事ある。」父「シグレ…アマモリの別名っておばあちゃんが言ってたな。 森で一度見た事ない男の子とおばあちゃんが話してるのを見たけど。…」最後小さな声で「あれがシグレかもな。」とボソッと聞こえた。「えっ、お父さんシグレは人なの」聞き返した。父は「精霊じゃないかな。でもおばあちゃんからはアマモリの別名カンナシグレって言い聞かせられてたな。」しみじみ語る父に私は「ありがとう。姫の役割の事が少し分かったよ。じゃお父さんも無理せずにね。ファイト。お邪魔しました」そう言って父の部屋から出て行き自室へ戻った。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加