母と娘

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母が居る台所へと急ぎ足で行った。 今のうちに言わないと…今言わないといけない気がした。 台所に行ったが母はいなかった。 さっきまで居た証拠にガスには火がついているのに母の姿はナイ。 とりあえず火を消し椅子に座った瞬間。 「あぁぁ火消し忘れた」と母の叫び声が聞こえた。 私は「消したよ」と声を返した。 母からは「ありがとう。助かった」と安心した声が返ってきた。 そして10分位で母が戻ってきた。 私は落ち着いて話をしたいと思い、花をかじり脳を目覚めさせ深呼吸した。 「お母さん、森で暮ら」途中まで言いかけた途端に母の顔色は変わり、「森で暮らしてどうするの。家もなければ畑もない上に人は摘み人がくる位で常に一人なのよ。寂しがり屋なミズナが暮らせるわけないじゃない良く考え直しなさい。」笑顔で母は私の意見を押し潰す。その上「はい、茎かじりなさい。」と口元に。 今日はもう家から出れない。 出れるかもしれないが母に逆らう考えさえも押し潰された気がした。 そして私はかじった。 なぜ…涙が一粒流れた気がした。 私にもう意識はない。 優しさ・・・時に優しさは人の心さえも殺す。
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