アマモリの森

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この部屋にはおばあちゃんと私だけ、いつも楽しい話ばかりしていた。おばあちゃんに森で見た動物や、アマモリ茎の成長やイトコとの仲、笑って聞いてくれてる、この時間が一番大好きだった。 二人でいるとこれまでの事が次々溢れてくる。小さい頃から今までの色々な事が溢れてくる。おばあちゃんの手を触るとさっきより少し冷たくなってきている。「おばあちゃん、私ねおばあちゃんが本当に本当に大好きでずっと一緒に暮らしたいよ。」声にならない声でおばあちゃんに語りかけていたら「トントン」ドアをノックする音が聞こえ扉が開いた。「ミズナちゃん時間よ。」ハルナの母さんだ。 その後ろにはおばあちゃんを運ぶ係りのおじさん達がいた。 その時、本当におばあちゃんが亡くなった実感が出てきた。 また涙が止まらない。 「さっミズナちゃん行きましょう」とハルナの母さんに手を引っ張られた。 葬儀の場所に連れて行かれた。一人、一人おばあちゃんとお別れをしている。 涙が止まらないまま、おばあちゃんにお別れを母と一緒にした。あまりに泣き続けていた為か気分が優れなくなってきた。 それに気づいた母は「ミズナ家で横になったら。」と言われた「いやだ。」急に興奮してしまった為、目の前が真っ白になった。
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