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優しいあの人がいなくなってから、随分と長い時間が流れた。
あの頃から、何一つ変わらない。
重く閉ざされた鉄の扉に、窓のない暗い部屋。
その中には古びたベットと小さな机。
明かりといえるものは無く、扉の小さな覗き窓から入る光だけがこの部屋の唯一の光源で。
あの頃から変わったモノといえば身長の高さと髪の長さくらいだろうか。
髪は腰よりも長く、身長はやっと覗き窓に届くようになった。
覗き窓の向こうには、点滅する照明に照らされた薄暗い通路。
通路を進んだ先には【実験室】と呼ばれる場所があり、更にその奥へ進むと本邸にも繋がっているらしい。
本邸と此処を往き来する者は少なく、私の存在は限られた人間にしか知られていない。
実験室では貴重な実験台を使った実験が行われている。
行うことはその時によって様々で、いろんな事が行われていた。
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