―タイムリミット―

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熱い 苦しい 痛い……? 何で、私はこうなってるんだっけ。 息切れしたような浅い呼吸を繰り返しながら、他人事のように考える。 (あぁ、そうだ……) 自分は、今回の【実験】に失敗したのだった。 苦しいのは、死にかけてるから。 油断しなかったのになぁ、と霞む視界に映る天井は、白くて眩しい気さえする。 久しぶりに見たあの夢のせいで、上の空だったのだろうか。 ジワリ、と濡れた感触が広がっていく。 生暖かく、ぬるりとしたそれは、ゆっくりと白を染めて、自分を汚していく。 まるで身体が脈打っているかのような錯覚を抱いて、苦し気に息を吐いた。
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