完璧なフェイク

6/24
前へ
/24ページ
次へ
教室が異様な興奮に包まれる中で、豪徳寺は中段より少し後ろの窓際に座る女に目を奪われた。 一瞬の出来事がまるで永遠のように感じられるほど、女は美しく静かでゆったりした間を持っていた。 豪徳寺は女の視線によって射抜かれたような感覚に陥った。 講義中にこんなに動揺するのは初めてだったがなんとか気持ちを持ち直して講義を続け、終了のチャイムまでたどり着くと、早速教室を出たところで女に声を掛けた。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加