旅の始まり

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シャルはしょうがなく正装を許すと、リアを一瞥してゲートをくぐった。 リアはそれに付いていくと、並んで歩きだす。 「ねぇシャル。ずっと疑問だったんだけどさ・・・。」 「ん、何。」 素っ気ない返事ではあったが、リアは返事を返してくれたことに嬉しいようだった。 「あのさ、俺22歳なの。で、シャルってクラウンの中で一番若いじゃん?何歳かなって。」 「あ~・・・・・何歳だろ。18くらい?」 「・・・くらい?」 リアは曖昧な答えに首を傾げた。シャルはそれに表情1つ変えずに言う。 「俺、1年前にクラウン入ったんだ。」 「うん、知ってる。」 「ムカっ・・・黙って聞け。」 リアは怒られたことにしょぼんとしたが、話の続きが気になって顔をあげた。 「1年前、俺は記憶が真っさらな状態でメイデンの・・・さっきのゲートの前に立っていたんだ。」 「・・・・記憶喪失?」 「さぁな。名前とかは覚えてたけど、何してたのかは全くだ。ま・・・別にいいんだけどさ。」 シャルはそういうと、背負っていた物を袋から出した。 袋をくしゃくしゃにしてポケットに突っ込むと、出した物をリアにかざす。
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