旅の始まり

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「剣・・・より細いね。」 かざされたのは、刃も黒い真っ暗なものだった。 「あぁ、刀っていうんだとよ。1年前、これ持ちながらメイデンの前に立ってたって。」 そういうと、シャルは一緒に入れていた鞘に刀を差し入れ、腰に下げた。 「・・・刀の名は?」 「-----黒奏(こくそう)。」 しばらくリアはじーーっとシャルの腰にある刀を見つめていたが、急に眉間にしわを寄せた。 「嫌い。」 「何でそうなんだよ!」 「だってシャルの相棒・・・。」 「いらない嫉妬だ。」 呆れたシャルはリアを無視してジャケットから飴を取り出した。 それを口に含むと、嫌なことなど忘れ去った様に小さく笑みを浮かべる。 「・・・それも嫌い。」 「これは美味いの。」 あまり笑わないシャルが笑みを浮かべるのは、リアは飴を舐めている時しか見たことがない。 「・・・・・・ねぇ。」
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