旅の始まり

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「はぁ、はぁ・・・何処にも街とかないけど・・・!!」 シャルは何個目かも分からない飴をくわえながら、大きめな岩に腰をおろした。 メイデンを出る頃は頭しか出ていなかった太陽も、今は真上にまで昇ってさんさんと光を放っている。 リアは辺りを見回してから身軽に木に跳躍すると、木の緑で埋めつくされた周囲を見渡した。 すると、視界の真ん中に集落のようなものを見つけた。 「シャル~!何かある、何かある!街・・・というか村かな?」 「村?メイデンの周りには村はないから、結構歩いたな。」 そういうと、リアに降りてもらって再び歩きだした。 リアはシャルの役に立てたことで笑みを浮かべるが、ふと、きょとんとした表情になる。 「村って・・・もっと結構歩かないとないはずだけど・・・・ま、いっか。」 遠くなり始めたシャルの背中を追うように、止めていた足を進めた。
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