14人が本棚に入れています
本棚に追加
「はぁ、はぁ・・・何処にも街とかないけど・・・!!」
シャルは何個目かも分からない飴をくわえながら、大きめな岩に腰をおろした。
メイデンを出る頃は頭しか出ていなかった太陽も、今は真上にまで昇ってさんさんと光を放っている。
リアは辺りを見回してから身軽に木に跳躍すると、木の緑で埋めつくされた周囲を見渡した。
すると、視界の真ん中に集落のようなものを見つけた。
「シャル~!何かある、何かある!街・・・というか村かな?」
「村?メイデンの周りには村はないから、結構歩いたな。」
そういうと、リアに降りてもらって再び歩きだした。
リアはシャルの役に立てたことで笑みを浮かべるが、ふと、きょとんとした表情になる。
「村って・・・もっと結構歩かないとないはずだけど・・・・ま、いっか。」
遠くなり始めたシャルの背中を追うように、止めていた足を進めた。
最初のコメントを投稿しよう!