プロローグ

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ここまでなら普通に聞こえるだろうが、彼は特殊な髪色をしていた。 前髪だけが白いのだ。加工した訳ではなく、地毛だ。それに顔も綺麗に整っていて、男から見れば羨ましい限りだ。 背は低くないが、別段高いという程でもない。 そして一番目立っているのが右目の眼帯。左目は黄色に見えるが、よく見ると金色だ。 誰もが見れば、一度は目を留めるだろう。だが、最上階の廊下では誰の目にも留まることはない。 ここの最上階には人が歩いていないのだ。特別な階級の者しか踏みいることが許されない区域。 それがここ 政府直属の組織 “クラウン” クラウンはこの世界“スティメタル”の都市ごとに配置されている。 スティメタルに絶えなく繁殖している魔物“クロウ”と呼ばれるものを武力で排除する組織。 そしてここはそのクラウンの本部なのだ。 ここはスティメタルの中心都市“メイデン”。政府の核の組織もここにある。 政府の中心となって立つものは、スティメタルの王。そのため政府の外装は宮殿のような造りになっている。 クラウンは別にビルを本部としている。
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