プロローグ

6/7
前へ
/64ページ
次へ
「俺、見失ったと予測出来る方角にある街探しに行ってみるわ。あいつ俺がいないとマジで駄目だかんな。」 「ん~・・・分かったわ。」 アヴェーラはそう言い、引き出しから小切手を取り出すと、シャルに渡した。 シャルは小切手を目をパチクリされながら見ていたが、次第に面倒くさそうな表情をした。 「長期の放浪っすか。嫌だよそんなん。」 「いいから行きなさい。メイデン付近は安全地帯だけど、最近スティメタル全体でクロウがやたら活発なの。被害も去年の3倍以上だわ。政府からその謎を探って来てって言われたの。」 政府という言葉にシャルは呻くと、渋々小切手を受けとった。 しかし、その額を見て固まる。 「額はまぁ全然足りるでしょ。それだけあれば1年くらいは大丈夫じゃないかしら?」 「俺にどんだけ調査させる気だよ!!1年!?」 アヴェーラは意地悪な表情で扉を指さした。 「小切手は受付に出して。お金出してくれるから。」 アヴェーラはさっさと行けとでも言うようにシャルを手で払う。 その白く細い指は、次にリアを指した。
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加