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「俺、見失ったと予測出来る方角にある街探しに行ってみるわ。あいつ俺がいないとマジで駄目だかんな。」
「ん~・・・分かったわ。」
アヴェーラはそう言い、引き出しから小切手を取り出すと、シャルに渡した。
シャルは小切手を目をパチクリされながら見ていたが、次第に面倒くさそうな表情をした。
「長期の放浪っすか。嫌だよそんなん。」
「いいから行きなさい。メイデン付近は安全地帯だけど、最近スティメタル全体でクロウがやたら活発なの。被害も去年の3倍以上だわ。政府からその謎を探って来てって言われたの。」
政府という言葉にシャルは呻くと、渋々小切手を受けとった。
しかし、その額を見て固まる。
「額はまぁ全然足りるでしょ。それだけあれば1年くらいは大丈夫じゃないかしら?」
「俺にどんだけ調査させる気だよ!!1年!?」
アヴェーラは意地悪な表情で扉を指さした。
「小切手は受付に出して。お金出してくれるから。」
アヴェーラはさっさと行けとでも言うようにシャルを手で払う。
その白く細い指は、次にリアを指した。
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