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その時、僕は初めてチコの現状に気がついた。 チコはもうおばあちゃん、そして弱っているんだと。 その日から僕は正気に戻り、チコに八つ当たりしないことを約束し、そして毎日チコに“大好きだよ”と心を込めて喋りかけることを誓った。 それでもチコは日に日に老いていった。 僕が小学6年になると、チコは走らなくなり、一日の半分は寝て過ごすようになった。 中学1年になるとチコは身体中の毛がだんだん抜け、イボができ、皮がたるんでいった。 その時、チコの体にはいくつかのシコリ(ガン)ができ、心臓や肝臓なども肥大しもうほとんど歩かなくなった。 そして僕が中学2年の夏、チコは立てなくなり、いつも沢山食べていたご飯も全く食べなくなった。 僕はそれでも毎日、毎日チコを抱きしめ、“大好きだよ”と声をかけ続けた。 しかしチコがご飯を食べなくなってから3日目、その日、僕はチコに大好きだよと伝えてあげるのを忘れてしまった。 そしてその日、チコは天国へ行ってしまった… 僕はチコの最期を見届けてあげることが出来なかった。 僕は信じられなかった。そして後悔した。 何故僕はその日、チコに“大好きだよ”と伝えてあげることを忘れてしまったのだろうと…
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