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僕は目の前にいる動かなくなり、冷たくなりつつあるチコの体を強く抱きしめ、心のどこかでは信じられないまま、ただひたすらに抱きしめ続けた。
その日の内にチコの火葬は行われた。
チコが焼かれる寸前まで僕はまだ心のどこかでは信じられない気持ちがあり、そしてなにより“泣けなかった”。いや、泣くことが出来かった。
でもチコが骨となって出てきた瞬間、その気持ちが一瞬にして消え去り、涙が溢れだしてきた。
僕はそれを必死にこらえようとした、だけど耐えられなかった。
そのチコの骨となった姿に…
僕は涙を溢れさせながらも、チコの骨を一つ一つ、丁寧に骨壺に納めていった。
僕はそのチコの骨の入った骨壺を大事に抱えながら家に帰って行った。
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