体験入店

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席に到着した私は、お客の持っているおしぼりを回収。 凛香さんは何事もないように接客を続けていた。 咲羅さんが来た瞬間に、ソワール全体の空気が変わったのは体で感じる事ができた。 なんか有名人でも来たような感覚かな。 咲羅さんのお客は先に席に座る。 本人はドレスに着替えるためかキャストルームに入って行った。 「失礼します!ハルカさんでーす!」 ―――――えっ?! 咲羅さんの席についたのはまさかのハルカ。 でもハルカは動じる事なく平然を装っている。 まだ咲羅さんが来てないからかな… ハルカは何を話してるんだろ。 てか体入の女の子をNo.1の席に座らせるとか店長は何考えてんだろ。 「失礼します!つばささーん!」 そんな時、私は呼ばれてしまった。 「すみませーん♪ご馳走様でしたぁ!」 私は凛香さんのお客とあいさつを交わすと、ニコっと笑顔を作って席を立った。 どこに行けばいいかわからなかった私は、キッチンへ逃げる。 本当に…ソワールってすごい。 こんなの…私に戦えるわけない… 凄すぎてついてけないよ… 「私には無理だ。私にはついてけないって顔してるなつばさ。」 キッチンへ入った途端、後ろから声をかけられた。 この声は店長だろう。 腕を組んで入り口にもたれかかった体勢で、笑いながら私を見ている。 「そ…そんな事…ないです。」 とっさに出た言葉は、自分の思いとはまったく逆のセリフ。 「お前はバカか?」
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