264人が本棚に入れています
本棚に追加
「終わったか?」
静かな部屋に響いたホストの声。
私は急いで着替えると、涙を拭いてバッグを持った。
「はい。着替えました。」
真っ暗の部屋。
シャワー室からの灯りも、私が遮っているせいか、ホストの顔はしっかりとは見えない。
私が今考えるのは仕事の事。
だけどまた昼の職場を探せばいいよね?
なんでもいいから昼の職場を見つけて、また新しく始めればいいんだ。
簡単だよね!
「じゃ、行くぞ。」
「えっ?!」
ホストは私の手を掴むと、ドアを勢いよく開き飛び出した。
私はただひたすら付いて行くしかなかったから…
ひっぱられるがまま、風俗店の通路を歩いた。
「神の言葉に従うと言ったのはお前だからな。」
「はい…」
風俗は私に合ってなかった。
だから、今逃げ出さないと私はダメになると思った。
「ちょっ…!お客さん!どこに行くんですか?!困りまっ…!」
ドゴッ…!!
ホストはなんの躊躇いもなく受付のおじさんを殴った。
「えっ?!!大丈夫なの?!」
「あぁ。いいんだよこれくらい」
ホストは入り口に向かって進んだ。
最初のコメントを投稿しよう!