知られざる過去①

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「終わったか?」 静かな部屋に響いたホストの声。 私は急いで着替えると、涙を拭いてバッグを持った。 「はい。着替えました。」 真っ暗の部屋。 シャワー室からの灯りも、私が遮っているせいか、ホストの顔はしっかりとは見えない。 私が今考えるのは仕事の事。 だけどまた昼の職場を探せばいいよね? なんでもいいから昼の職場を見つけて、また新しく始めればいいんだ。 簡単だよね! 「じゃ、行くぞ。」 「えっ?!」 ホストは私の手を掴むと、ドアを勢いよく開き飛び出した。 私はただひたすら付いて行くしかなかったから… ひっぱられるがまま、風俗店の通路を歩いた。 「神の言葉に従うと言ったのはお前だからな。」 「はい…」 風俗は私に合ってなかった。 だから、今逃げ出さないと私はダメになると思った。 「ちょっ…!お客さん!どこに行くんですか?!困りまっ…!」 ドゴッ…!! ホストはなんの躊躇いもなく受付のおじさんを殴った。 「えっ?!!大丈夫なの?!」 「あぁ。いいんだよこれくらい」 ホストは入り口に向かって進んだ。
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