第1章

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「そう…あぁ…ごめんなさい。私ったらつい…おめでとう。 でも、―――」 ガチャッ 私が扉を開けると、お母さんはハッとしたように「ごめん、また掛け直す」と慌てて電話を切った 「なぁに、またDVD?」 思いの外、動揺した様子もなくすぐに呆れたような笑顔を私に見せる 「ねぇ、翔太がどうかしたの?」 わたしがあっさりとその名前を口にするとお母さんは驚き、目を真ん丸にして私を見た 「何で美桜が翔太を知ってるの…?」 「だって会ったことがあるもん」 「…嘘でしょ?」 「嘘じゃない。ついでにお母さんにお姉ちゃんがいることも知ってたよ」 私はそう言いながら、小さな男の子を思い浮かべる 青いリュックにを背負い、青い帽子を被った小さな男の子
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