Chapter-9-Fragile-life-

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ザァ━━━━━ どしゃ降りではないが、 そこそこの雨が 降り始めた。 しかし、その雨のせいで アメリカ軍基地が ぼんやりとしか 見えなくなっていた。 恐らく向こうも同じだろう。 さっきまでは 戦車に何千発も 銃弾を当てていたが 今は数発ぐらいで 当たったかどうかも 分からない。 だが戦車は サーマルに切り替えることにより 赤外線で敵の動きが分かるため こちら側が有利だった。 向こうにもバズーカを 備えた兵士がいるため 油断はできない。 中にはサーマル付の バズーカもあるため 尚更意識を集中させる 必要があった。 そして今度こそ‥‥‥ シガロー指揮官 『いいか? 我が国はアメリカによって 大事件が起きている!! この戦いでアメリカに 降伏させるのだ!』 兵士達『はっっ!!!!』 戦車にくっつきながら 一歩も離れず前進し続ける 先発隊の兵士達。 シガロー指揮官 『数は力だっ!!! まだ手榴弾は 1つも使ってないなっ!? 全兵手榴弾の栓を抜くんだ! 投げろぉぉ━━━!!!』 一斉に戦車から飛び出して 手榴弾を1つ投げた兵士達。 よく映画で 口で手榴弾の栓を 外す映像が見られるが、 実際口でやろうものなら 間違いなく歯が抜けるだろう。 本当の手榴弾の栓は とても固いため 手で抜き取るのも 一苦労する。 だが、 日々の訓練で 何度も抜く練習を していたため ほぼ同時に 栓を抜き取れた。 そして投げられた 手榴弾は せいぜい20個程度。 つまりそこまで 兵士は減らされていたのだ。 ドカン!! ドドドカン!!! ドカン!ドカン!! 何度も爆音を 響かせた手榴弾。 シガロー指揮官 『爆発しきる前に 攻めこむぞ!!━━━━ 突撃開始ぃぃぃ━━━━!!!』 指揮官の高々な大声と共に 走り出した兵士達。 雨の中では ほとんどの音が 掻き消されてしまうため 銃を撃っても 響く距離も大分短くなる。 しかしこの戦争事態が 謎の組織によって 仕組まれていたことに 気付くのは後のことだった。
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