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友「そう、ですね。非公開といえど、代理になればそれぞれの行事には少しは顔出しに・・・って、華蓮!!その話は本当なんですか?!」
華「お?おう、そういう話を聞いたことが・・・って、え?」
明「まさかよね。その大馬鹿者、つまり入れ知恵している本人も叔父様を本当の当主だと思い込んでるのよ」
スッ
と席を立ち、部屋の中を見て回る。
華・友「「・・・」」
友「よもやとは思いましたが、そんな考えなしの方がいらっしゃるとは・・・」
明「それに、叔父様って母様の父親違いの弟とはいえ本当にうちの人間っぽくない顔、というと失礼だけど。それに不本意だけど、若干父様に面影とか雰囲気似てるし。だから今まで非公開にされてきたって勘違いしたんじゃない?」
華「うーん。まぁ三龍院の長たる者は歴代、その家の特徴丸出しっ、て奴だけだしなぁ」
友「故に、当主らしくないから、成人しているとはいえ非公開にされたと?」
明「そ。加えて過去の放蕩っぷり。裏で名前を調べりゃすぐわかるわよ、あの人。」
友「黒龍院としては、岳彦様は家名に泥を塗ったいわば汚点。そんな汚点をわざわざ当主にしているとなると、直系以外に有り得ない、と?」
華「俺らは代々世襲制をきっちりと取り入れているからな。疑いもなく、そう思った?はは、そう考えたとすれば真の馬鹿だな。」
明「ええ。まとめてみると、その馬鹿は母様じゃなくて父様を先代当主、本当は母様が直系なんだけど、加えて叔父様が父様の実の弟だと考えた。当主を非公開にする本当の意味は上層部の中でもほんの一部しか知らない秘密のようなものだし。で、ある意味うちにとっては弱味でもある叔父様を人質に、黒龍院を中から壊していき、いずれ己のものにしようとした。…叔父様って本当に騙されやすいタイプらしいから、絶好のカモを掴まえた!これで自分の未来は安泰!!って考えたんじゃない?」
華・友「「つくづく馬鹿だな(ですね)」」
明「だよねぇ。万が一を考えなかったのかな」
華「だけど、そんなに間違えるか?明の母様は先代当主だぞ?それぐらい分かるだろう」
友「華蓮っ、それは」
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