――好き。

――入学式

今日は待ちに待った高校の入学式。あたしは早起きをして支度準備をしていた。

｢あとは髪を巻いて準備完了！｣

ふっくらとした唇にピンク色のグロスを丁寧塗り温めておいたコテで髪を巻き始める。

新しい学校。
新しい制服。
新しい自分。

その為に昨日は美容院でミルクティーのような髪色に仕上げてきた。

あたしが行くのは女子校で比較的に校束がゆるい。

赤のチェックのスカートを短くしてみたりネイルをしてみたり。

お洒落をするのが大好きなあたしは学校に行くのが楽しみで仕方なかった。

｢出来たー！｣

胸下まである髪は綺麗にくるくると巻かれている。

仕上げに切りそろえてある前髪を整えてカバンを持ち部屋を出ると母親は仕事に出掛けたのかリビングには置き手紙と朝食が。

――ゆりあへ

入学式行けなくて
ごめんね。
今日は早く帰れるようにします。

ママより

あたしの家は母子家庭。
いつもの事だからとあまり気にせずに朝食を済ませてから家を出た。

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