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あたしが返事をする前にいなくなってしまった龍司。
「行っちゃった。格好良かったなぁー…。乱暴な人だったけど。」
あの香水の匂いが離れない。大きな背中の温もりがまだ残っている。もういないと言うのに心臓の早さは変わらない。
どうしてしまったのか。これは一目惚れと言うものなのか。
「佐々木 龍司。また会いたいなー…。ってあたし、こんな乙女キャラじゃないし。つかやばい。早く行かなきゃ!」
こんな事をしてる場合じゃないと、慌てて走り出し学校の門をくぐった。
とっくに始まっている入学式に遅れてしまったあたしは一気に目立ってしまった。
これがきっかけで先輩達に目を付けられてしまった事に気付きもしない。
ただ頭の中で離れずにいる佐々木龍司の事を想うばかりで。
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