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『おいで、僕の所に。』
子供のような高い声がする方へ、ルティは歩き出した。
辺りから驚きの声があがるが、気にならずに歩き続ける。
兵士が槍を交差させてルティの進路を拒む。
「下がれ、君のような女性が来る所ではない。」
冷たい冷酷な声にルティは震えあがるが、下がることはしなかった。
「私を呼んでるの、だから通して!お願い!!」
ルティの悲痛な訴えにも兵士は揺るぐことはなかった。
『そこに居て、僕が迎えに行くから。』
鈴を鳴らしたような声が聞こえたと思った瞬間に
ピシリ
と音が微かに聞こえた。
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