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カウンターに、四色が重なった縞模様のカクテル。プース・カフェがある。
「客に魔法をかけてやるぞっていう、お前の意気込みは買うがな」
お前のカクテルは派手すぎる、オーナーはそう嘆息した。一口飲んだだけで、長い腕がカウンター内の僕へと。カラフルなカクテルのグラスを突っ返す。
酒の比重は種類によって違い、甘い酒は比重が大きくて重い。
比重の大きな酒から順にバー・スプーンを伝わらせて、静かに静かに器に注ぎ入れれば混ざらず段になり、ケーキとクリームのように色が重なっていく。
こうして多色に作るカクテルを『プース・カフェ』という。
「しかも今は秋。クリスマスに、まだちょいと早いぜ?」
僕の作ったプース・カフェは、下から赤、緑、ブラウンに白。
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