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いくつかの質問を他にもしてみるが、ほとんど最近は付き合いがなかったことから何も情報は得られない。
大塚は鎌田美夏とその母親に聞こえないように小さなため息をつく。
「では最後にお願いします」
大岩が不憫に思えてきたので、切り上げることにした。
「鎌田さんから見て、安田瑞希さんはどういう方でしたか」
今まで喋らなかった人間が喋りだしたことに、少し驚いたようだが鎌田美夏はハキハキと答える。
「瑞希さんは、可愛らしくて頭がよくて優しくて、オシャレで大人っぽい人でした。私なんかにも優しかったし、相談にものってくれたんです。お買い物にも付き合ってくれたし、本当に尊敬できる人でした」
大岩がこちらを見てもう帰りたいという目をしたので、深く聞くのをやめて鎌田家を後にした。
最後の質問以外はどうも微妙に返答がずれていたし、話が長く聞いているだけで疲れるほどだった。
質問をしていた大岩が嫌になるのも当然だ。
大岩はよほど鎌田美夏が苦手だったようで、運転を交代してくれと言ったと思ったら返事を待たずに助手席に乗り込んだ。
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