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父の急な発言から始まった臨時の家族会議の題目は「父の仕事について」らしい。
父「今日、お父さんは幽霊になってから初めて会社に出勤した!!」
「お~!!」
僕以外の家族全員から惜しみない拍手が父に浴びせられる。
僕の家庭ではよく分からないが父をおだてる風潮がある、なので、一応僕も父に対し遅れて拍手を送る。
「いや~どうもどうも」
父は頬を赤らめ、頭を片手で軽くかきながら、ペコペコ軽い会釈を繰り返す。
「で?どうだった?」
と姉が父に尋ねる。
尋ねられた父の顔が先程の赤らめた頬から一転段々と青ざめていく。
「それが…それが…父さんの…父さんの…父さんの…デ…デスクが…」
段々と話すうちに父の声が掠れていく。
「―――無くなってたんだぁ!!」
父は目から涙駄々もれで、僕達家族に訴えかける。
「……………」
「いや…父さん、無くて当然だと思うだけど 普通に考えて亡くなった一会社員でしかない父さんのデスクを会社がずっと残して置くなんてないでしょ」
父「でも…でも…お父さんはあの会社に…3ヶ月間も在籍したんだよ!!」
「3ヶ月間もて!!それ少なすぎだろ!!せめて三年ぐらい在籍しろよ!」
父が会社に三年以上在籍していたなら声をあらげてツッコミを入れることなかったであろう。
「さすがのお父さんも怒ったから。会社のお父さんが所属していた課のコピー機を一台詰まらせてきたんだ!!」
「一台て姑息すぎるだろ!!」
また声をあらげてツッコミを入れてしまった。
「幽霊なんだから人に見えないだしもっと大胆に、盛大に、嫌がらせすればいいだろに…」
「これでも…父さんがんばったんだけどな…」
父は肩をおとし落ち込む。
「守っ!お父さんだって頑張ったのよ、責めちゃダメ!!」
母が父を責めた僕を怒ってきた。いつも通りのニコニコ顔で。
姉「でもさぁ母さん守の意見も一理あるじゃない?あたし達は幽霊なんだし、少しハデな嫌がらせしたていいんじゃない?むしろ、率先してするべきじゃないのかな
それが私達が幽霊としてこの世に残っている役割かもしれないし」
意外にも姉が僕の意見に賛同してきた。
だが、理由からしてただ嫌がらせを正当化して自らが嫌がらせをしたいと主張している様なものだ。
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