0人が本棚に入れています
本棚に追加
柔らかい花の香りが辺りを包む…
レンガの道が続く庭園には綺麗な花が咲き誇っていた。
それに同化する程の可愛しい少女レミーとルーチェがお気に入りのドレスを着て庭園で遊んで いる
「痛いっ」
不意にルーチェが花を見ようと手を出したとき、バラの棘が指に刺さってしまった。
真っ白い小さな指から真っ赤な血が豆を作っていた。
「あはは。ルーチェはドジね?
ちゃんと見てなかったの?」
姉のレミーはルーチェの指の血をポケットから出したハンカチで優しく拭いた。
その時、ルーチェは赤や白のバラの中に蒼いバラが1輪混ざっているのに気付いた。
「レミー? これ見てっ!」
「蒼いバラ…? 見た事ないわ!!
碧い瞳に蒼い髪、ルーチェ色のぉぉバぁラぁねぇぇ〓!」
レミーの声がテープを引き伸ばしたように高低音が狂う…
ルーチェの見ている綺麗な景色が歪む…
自分の立ち位置が認識出来なくなる……
不快感…
恐怖…
不安に押しつぶされる。
最初のコメントを投稿しよう!