〓蒼イ薔薇〓

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柔らかい花の香りが辺りを包む… レンガの道が続く庭園には綺麗な花が咲き誇っていた。 それに同化する程の可愛しい少女レミーとルーチェがお気に入りのドレスを着て庭園で遊んで いる 「痛いっ」 不意にルーチェが花を見ようと手を出したとき、バラの棘が指に刺さってしまった。 真っ白い小さな指から真っ赤な血が豆を作っていた。 「あはは。ルーチェはドジね? ちゃんと見てなかったの?」 姉のレミーはルーチェの指の血をポケットから出したハンカチで優しく拭いた。 その時、ルーチェは赤や白のバラの中に蒼いバラが1輪混ざっているのに気付いた。 「レミー? これ見てっ!」 「蒼いバラ…? 見た事ないわ!! 碧い瞳に蒼い髪、ルーチェ色のぉぉバぁラぁねぇぇ〓!」 レミーの声がテープを引き伸ばしたように高低音が狂う… ルーチェの見ている綺麗な景色が歪む… 自分の立ち位置が認識出来なくなる…… 不快感… 恐怖… 不安に押しつぶされる。
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