第一章~別れ、そして旅立ち~

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ヒュッ! 左の暗闇から、一本の矢が男目がけて飛んできた。 「…………!」 突然の出来事だった。 銀色の髪の毛が数本、宙に舞う。 被っていたフードがとれ、馬に乗っていた人物――銀髪の若い男の顔が露わになる。 当たってはいない。 矢は銀髪の男の僅か数センチ頭の上を通り過ぎて行った。 彼は姿勢を低くして飛んできた矢ををかわしたのだ。 表情には表れない。しかし、その動きには確かな余裕があった。
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