第一章~別れ、そして旅立ち~

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それは、ほんの一瞬の出来事だった。 先ほどまでゴブリンと正面で向かい合っていたはずの男が、いつの間にかその背後に回り込んでいたのだ。 男の手に握られた長剣は赤い光を放っている。 そして、その剣先から真っ直ぐ伸びる赤い残光がくっきりと闇に刻まれていた。 ドサッ……。 金属の斧が鈍い音を立てて地面に落ち、それに続いてゴブリンが力なく馬から転げ落ちる。 そして、それきり二度と立ち上がることはなかった。 これで残りの敵は3匹。
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