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7月15日の午後。
日は高く、高く上り、蒸し風呂状態の武道場では剣道部の部活動が行われていた。
「いやぁぁぁぁっ!めーん!!」
スパンッ!
「うっ……」
「一本、それまで!」
また、負けてしまった…
「あれで一生懸命やってるつもりなのかしら」
「ちょっとかわいいからって調子乗ってんじゃないの?」
まただ!
「だから、少し懲らしめる位がちょうどいいんだって」
「「「アハハハハハ!」」」
先輩の笑う声が頭にこだまする。
その遠くでぼんやりと、蝉がやかましく鳴いている声が聞こえたが、
私にとっては先輩の声の方が何倍もやかましく聞こえた。
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