きみのすきなとこ

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君が好きという思いが募ってどうしようもなくなる。 でも直接顔を見て君を好きだと言えないんだ。 君の好きな所は数えきれない程あるのに。 君を目の前にすると、言えないから見つめてしまうんだ。 そんな僕だからいつも君は僕に、 『マツバさん、どうしたの?』 って言うんだ。 ――ハヤト君が可愛くて見つめてた―― そんな事言える訳無いけど。 「はぁ…」 また、ため息が出た。 久しぶりに君が僕の所にやってきた。 いつもと同じくほのぼのとした時間を一緒に過ごした。 ――――君が好き 今この気持ちをいきなり言ったら君はどんな顔をする? 困った顔かな? でもその逆だったら……嬉しい…… 「ハヤト君。」 「なんですか?」 「好き。」 言葉の意味を理解するのに10秒掛かった。 そこから真っ赤に顔を染めて俯く。 「どこが……好きなんですか……?」 照れながら首を傾げるハヤト君。 思わず抱き締めてしまった。 「ぅわっ…!!」 驚きの声を上げておどおどしながら見上げてる。 「ハヤト君……大好き……」 「俺も、好き……。」 さっきのハヤト君の質問の答えはね、今みたいな君の照れた笑顔、バトルして負けた後の拗ねた横顔、悪戯した時のすこし涙ぐむ泣き顔、目の縁を型取る長い睫毛に耳の形に切り過ぎたのかアシメになってる前髪。 全部が好きだよ。 でも、一つも言葉に出来ない。 僕ってやっぱりヘタレなのかな……。 .
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