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その日からしばらく経ったが、彼女からその後メールは来ていない。
俺の話をもとにした小説はいつ送ってくるのか、とちょっぴり期待していただけに、メールを受信しない携帯電話を見るたび、俺はため息をついていた。
あのメールがきっかけなのか、俺は段々と、自分が彼女に惹かれていることを自覚していった。
教室では相変わらず喋らないし、唯一の意思疎通手段であるメールも最近はしていない。
それでも、気づけば授業中でも彼女を見つめているし、彼女と目が合おうものなら、胸が締め付けられて一瞬で逸らしてしまう。
『俺は彼女のことが好きだ』
そう確信するようになっていた。
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