始まり2

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その日は、別な人に用事があって、携帯電話を開いていた。 次の日の時間割を教えて欲しいと、友達に送ろうとした瞬間、誰かからメールが来た。 メールの送信を邪魔されたことに少し苛立ちながらも、メールを確認する。 「今日、綺麗な三日月だよ。 そっちでも見える?」 あの日のことなどなかったかのように、いつもの調子で送られてきた、彼女からの他愛もないメール。 思わぬ相手からのメールで、俺は驚いた。 彼女はどういう心情でこのメールを送ったのだろうか。 「見えるよ。 ……あのさ、前から思ってたんだけど、俺のことどう思っててそういうメールくれるの?」 答えが知りたくて、思わず聞いてしまう。 返事はすぐに返ってきた。 「どう思ってるかって? うーん……好きか嫌いかで言ったら好きだよ」 「その『好き』って友達として? それとも……男として?」 『彼女の本当の気持ちが知りたい』 ほとんど間をあけず、畳みかけるように次のメールを送った。 送ってしまってから、自分のやってしまったことに気づき、後悔した。 これじゃあほぼ告白じゃないか、と。 彼女から返信が来るまでの10分間、俺の心臓は大きな音をたてっぱなしだった。
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