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教室に着くと、１人の女の子が
私の方へ歩いてきた。
「咲ちゃーんっ！」
大きな声で私の名前を呼ぶこの子は
楠 理恵(くすのき りえ)ちゃん。
同じ中学校で、私にいつも
べったりくっついてくる子だ。
少しぽっちゃりとしているけど
可愛らしくて妹みたいな存在。
「理恵ちゃん！おはよ」
「おはよう！咲ちゃん、理恵と
同じクラスだよー♪」
「うん、やったね！」
「わーい♪」
理恵ちゃんははしゃぎながら
私に飛び付いてきた。
可愛いなぁ…
「苦しいよ理恵ちゃん」
「だって、咲ちゃん大好きだもーん！」
「私もだよ。理恵ちゃん大好き」
素直にそう思った。
―そう、思っていたのに…
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