#2 ストーカー

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すぐに口が塞がれた。 でも、塞いだのはその人の大きな手だった。 「しーッ。黙って。気付かれちゃうよ。」 優しい、男の子の声だった。 「よし。行ったみたいだな。」 と言うと同時に口から手が離れた。 「あの…。」 「大丈夫?なんかつけられてたみたいだけど。ありゃ、ストーカーだな。キミ、可愛いもん。」 と、言うとその子はぐっと私を近くに寄せた。 「あの…ありがとうございました。」 「いいよいいよ。それよりさ、キミのその制服、まさかの星沢学園?」 「えっ?あ、はい。」 「マジで!?俺、明日からそこに転入すんだけど。何年何組?てか名前は?」 いきなりそういう流れ!? 「てか美人!!ヤベ、俺のタイプど真ん中。」 人の話を聞こうよ。てかきみからふつう名乗るべきでしょう!?――なんて言えないしなぁ。まいいか。 「一年…5組。瀬戸内澪夏。よろしく。」 言っちゃった… でも悪い人じゃなさそうだしね。 「澪夏ちゃんッ!名前までキレイじゃん♪」 あ…笑った…。カッコいいかも…。 私達はそのまま、方向が同じってことで、一緒に帰った。
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