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「はあ、はあ、はあ」
「(う、もう走れない)」
楠吉鷹(くすのき よしむら)は裏路地のゴミ捨て場で息が荒れるのを抑えながら、周囲の様子をうかがっていた。どうやら追手はもういないらしい。
「はあ、 冗談じゃねえぜ。なんだってんだよいったい」
吉鷹はビルに手をつき、おもわず座り込んだ。
こんな走ったのはいったい何年振りだろう。時計を見ると、もう十一時をとっくに回っていた。かれこれ二時間は走っていたことになる。
不運なことに、吉鷹は町の不良グループに目をつけられてしまったのだ。
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