2・届かぬ想い

2/7
前へ
/102ページ
次へ
「じゃあね~!!」 「気をつけて帰れよ。」 「うん。健太くん、さつきくん、ありがとう。また来週ね。」 笑顔で帰っていく渚たちの後ろ姿を、健太と並んで眺める。 「……やっぱり、渚はいい子だよなぁ。」 話す声が聞こえなくなった頃、健太がそう呟いた。 「めずらしいな、お前がそんな風に言うなんて。」 「え~?何言ってんの。オレは、みんないい子だと思ってるよ。」 「……そうか。悪かったな。」 「え……何?ちょっと…どうしたの?さつきが素直に謝るなんて、何か怖いんですけど……」 「何でもない。先行くぞ。」 「さつき?ちょっ…待ってよ!!」 俺は、騒ぐ健太を無視して家の中へと戻っていった。
/102ページ

最初のコメントを投稿しよう!

432人が本棚に入れています
本棚に追加