1・大切な…

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「はぁ……どぉしてかなぁ……」 「……」 今、俺の隣で独り言を言っているのは、俺の主で、幼なじみで、自分の命を捨ててでも守りたいと思う大切な奴。 「あぁ、もぅ!!何かすっごい腹立ってきた…」 「悠が気にしても仕方ないだろ。問題は解決したんだ。後はアイツら次第じゃないのか?まぁ、俺には相沢にも変化あったように思えたが……」 「そんな事、僕だって気付いた。だから余計に……」 悠は、少しだけ視線を下げた。 「渚くんには幸せになってもらいたいよ……」 「相沢の事、大切なんだな。」 「うん、大切だよ。だって僕、渚くん大好きだもん。」 「……」 悠の横顔をそっと盗み見る。 相沢の事を考えているであろう、その表情は、とても柔らかなものだった。 悠が、他人の事でこんなにも一喜一憂するのは、相沢が初めてだ。 小さい頃から特殊な環境で育ってきた悠は、他人を全く信じていなかった。 親父さん曰く、昔は身内すら疑っていたそうだ。 俺は、そんな悠の付き人になり、献身的に世話をした。 悠も、俺には少しずつ心を開いてくれていた。 だけど、根本的な所は変わらなかった。 そんな悠だったけど、相沢に出会い、変わったんだ。 とても良い方へ……
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