1・大切な…

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「それにしても、相沢らしい解決だったな。」 俺は、さっきのやり取りを思い出していた。 「当たり前じゃん。」 悠が自分の事のように話し出す。 「渚くんだよ。キレイな心を持ってて、誰にでも優しくて。でも……」 不意に悠の表情が曇った。 「悠?」 「本当はすごく辛かったと思う。苦しかったと思う。それなのに、あんな笑顔を見せて……」 他人に襲われる恐怖を知っている悠は、相沢の気持ちがよく分かるのだろう。 俺は、震える悠の手を少し強く握った。 「相沢には、佐々木がついてる。今回みたいに、佐々木が守りきれない所は俺たちが守ってやれば良い。違うか?」 「何か修ちゃんが真面目……」 「茶化すな。」 「ふふっ。ありがとね、慰めてくれて。」 「あぁ。」 悠に笑顔が戻り、一安心する。 やはり、相沢をしっかり守れなかった事を気にしていたようだ。 「もっと強くならなきゃ……」 顔を上げ、しっかりと前を見据える悠の瞳には、力強い光が宿っていた。
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