旅立ち

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高原特有の透き通った風に乗った薄雲の影が、太陽に焼かれている大地に映る。それと同じように、一羽の鷹の影が太陽から大地を守っていた。軽やかに初夏の風に乗るその鷹は、一度、二度と円を描いて、地上に向かうために羽を閉じる。 そうして降り立った先には、二人の少年がいた。 一人は、この鷹の主である、鳶色の瞳を持つ少年だ。 そしてもう一人は、羊飼いの杖を携えた空色の瞳を持つ少年だ。
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