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だが羊飼いの家に生まれた少年も、ここにいる訳にはいかない。生家の役割を全う出来ない以上、この少年にはここで生きていく資格がないのだ。
それなのに、旅立ちを目の前にして、この少年は少しの恐れも見せていなかった。むしろ、その空色の瞳は希望を信じて疑っていない。
「怖くないのか?」
たまらなくなって、鷹匠の少年が尋ねた。つい先日やっと大人としての役割を任されるようになった彼は、しかし未だ子供らしい臆病さが残っている。どんなことでも、変わることや挑戦することが怖くて、不安で、嫌なのだ。
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