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だけど、時間ってものは楽しければ楽しいほど早く過ぎる。
「明日…?」
「うん。明日、家にかえらなきゃいけないの…」
そう、もう夏休みは終わり新学期が始まる。
だからあたしは家に帰らないといけない。
つまり、風太とお別れってこと…。
「やだよ…、おれ…。」
「あたしだっていやだもん…!」
ここにいたい。
ここはおばあちゃんも近所の人も、風太もみんな優しくってあたたかい…
かえりたくないよ…
家は冷たくて。
居場所がなくて。
………息苦しい。
「……じゃあ、“約束”しよ?」
「?」
「来年来るんだろ?
だから、来年の8月、9時に鳥居前。
――…約束な」
「――…っ…うん…」
指切りを交わした小さい小指。
あたしは忘れないよ。
泣きながら、不安な“未来”を誓ったこの日を…
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