8月に

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そしてやって来た夏休み。 あたしは、おばあちゃんの家に行くと、すぐにあの“約束の場所”へ向かった。 …いるかな? 風太。 いないかもしれない。 “約束”なんて覚えてないかもしれない。 だけど、あたしの足は止まらなかった。 少しでも可能性があるなら…… 走って。 走って。 やっと鳥居前に着く。 「……っ、風太?」 乱れる息を整えながら、名前を呼ぶ。 けれど、風太はいなかった…。
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