0人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
僕は海原颯太。
10月なのに転校する事になった。
本当は転校なんかしたくなかった。
前の学校ではそれなりに友達もいた。
僕が転校するのはこれが二回目。
僕はどちらかというと内気な性格だから、友人関係の形成には時間が必要だった。
周りから見ると近寄り難いのかもしれない。
今日は引っ越して来たばかりだ。だから学校には明日から行く。
僕は祖父母の家に居候する事になっている。
でも僕は学校に行く事にはためらいがありながらも、これから始まろうという生活を少なからず楽しみにしていた。
なんと言っても祖父母の家。
口うるさく文句を言われる事はないだろう、、、と考えていた。
祖父母には小さい頃しか会った事がない。
はっきり言って顔だってうろ覚えだ。
一種の昂揚感を胸に抱きながら僕は祖父母の家に着いた。
玄関から見た事があるような顔が出てきた。
浮き足立つ自分を抑えながら祖父母に挨拶をする。
「お久しぶりです。これからしばらくの間お世話になります。」
「うむ、よく来た」と祖父が言う。
なんだか厳しそうな雰囲気だ。
「大きくなったわね。そんなに丁寧にする事無いのよ。寒いわね。さぁ、上がりなさい。」
祖母はどうやら優しい人のようだ。
玄関の奥に見知らぬ女の子が見える。
最初のコメントを投稿しよう!