転校

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僕は海原颯太。 10月なのに転校する事になった。 本当は転校なんかしたくなかった。 前の学校ではそれなりに友達もいた。 僕が転校するのはこれが二回目。 僕はどちらかというと内気な性格だから、友人関係の形成には時間が必要だった。 周りから見ると近寄り難いのかもしれない。 今日は引っ越して来たばかりだ。だから学校には明日から行く。 僕は祖父母の家に居候する事になっている。 でも僕は学校に行く事にはためらいがありながらも、これから始まろうという生活を少なからず楽しみにしていた。 なんと言っても祖父母の家。 口うるさく文句を言われる事はないだろう、、、と考えていた。 祖父母には小さい頃しか会った事がない。 はっきり言って顔だってうろ覚えだ。 一種の昂揚感を胸に抱きながら僕は祖父母の家に着いた。 玄関から見た事があるような顔が出てきた。 浮き足立つ自分を抑えながら祖父母に挨拶をする。 「お久しぶりです。これからしばらくの間お世話になります。」 「うむ、よく来た」と祖父が言う。 なんだか厳しそうな雰囲気だ。 「大きくなったわね。そんなに丁寧にする事無いのよ。寒いわね。さぁ、上がりなさい。」 祖母はどうやら優しい人のようだ。 玄関の奥に見知らぬ女の子が見える。
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